レールの話 その1

 明治時代の線路というと双頭レールが思い浮かばれます。双頭レールとは上下対象の形のレールで、片面がすり減ったら上下を裏返して使用できるという触れ込みの、なかなか経済的と思えるものでした。新橋~横浜間の日本の鉄道開業時にも双頭レールが使用されて敷設されました。しかしながら均一に摩耗するはずもなく、その形状から据え付けても不安定だったので、やがて登場した現行のレールの形状へと変わっていきました。明治村では双頭レールは二か所設置されています。

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 まず一か所目は1丁目の鉄道局新橋工場内にある昭憲皇太后御料車(5号御料車)と明治天皇御料車(6号御料車)が載っているレールです。前述のように双頭レールは不安定なため犬釘ではなくチェアと呼ばれる器具で固定されています。

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 車両が載っている部分も双頭レール使われています。明治天皇御料車(6号御料車)の台車は3軸ボギーですがこれはまたの機会に。


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 もう一か所は六郷川鉄橋の北寄り(宇治山田郵便局側)です。かつては南寄り(ハワイ移民集会所)側も双頭レールだったようですが、鉄橋上に静態保存展示していた元尾西鉄道1号蒸気機関車をハワイ移民集会所前の地面に移動した際に30キロレールに交換したようです。

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 また六郷川鉄橋上は30キロレールとなっています。

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 双頭レールと30キロレールの接合部です。チェアと犬釘の違いが見られます。

本館はこちら→ http://www.ken-k.pvsa.mmrs.jp/

by k0531k | 2018-03-20 23:17 | 明治村 | Comments(0)